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攅
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あつ
ふりがな文庫
“
攅
(
あつ
)” の例文
現に今日も、この
卓子
(
テエブル
)
の上には、
籐
(
とう
)
の籠へ入れた
桜草
(
さくらそう
)
の鉢が、何本も細い茎を
抽
(
ぬ
)
いた先へ、
簇々
(
ぞくぞく
)
とうす赤い花を
攅
(
あつ
)
めている。……
路上
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
あるとある
贅沢
(
ぜいたく
)
、あるとある快楽、凡そ人間世界に為し得べき贅沢と快楽を
攅
(
あつ
)
めて装飾したるこの地は到底明治時代の想像に及ぶべくもあらず。
四百年後の東京
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
鉄の
格子
(
こうし
)
がはまっているようだ。番兵が石像のごとく突立ちながら腹の中で情婦とふざけている
傍
(
かたわ
)
らに、余は
眉
(
まゆ
)
を
攅
(
あつ
)
め手をかざしてこの高窓を見上げて
佇
(
たた
)
ずむ。
倫敦塔
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
その
攅
(
あつ
)
めたる
眉
(
まゆ
)
と
空
(
むなし
)
く
凝
(
こら
)
せる目とは、体力の
漸
(
やうや
)
く衰ふるに反して、精神の
愈
(
いよい
)
よ興奮するとともに、思の
益
(
ますま
)
す
繁
(
しげ
)
く、益す乱るるを、従ひて
芟
(
か
)
り、従ひて解かんとすれば、なほも繁り、なほも乱るるを
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
微笑を含みてこの
光景
(
ありさま
)
を見し浪子は、日のまぶしきに
眉
(
まゆ
)
を
攅
(
あつ
)
め、目を閉じて、うっとりとしていたりしが、やおらあなたに
転臥
(
ねがえり
)
して、編みかけの
韈
(
くつした
)
をなで試みつつ、また縦横に編み棒を動かし始めぬ。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
▼ もっと見る
不審の
眉
(
まゆ
)
を
攅
(
あつ
)
めたる
前
(
さき
)
の世話人は、腕を
拱
(
こまぬ
)
きつつ座中を
眗
(
みまわ
)
して
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
雨と風のなかに、毛虫のような眉を
攅
(
あつ
)
めて、余念もなく
眺
(
なが
)
めていた、圭さんが、非常な落ちついた調子で
二百十日
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
枕頭
(
まくらもと
)
を
窺
(
うかが
)
ひつつ危む如く眉を
攅
(
あつ
)
めて、鴫沢の
未
(
いま
)
だ言出でざる時
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
彼は
忽
(
たちま
)
ち
眉
(
まゆ
)
を
攅
(
あつ
)
めて
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
攅
漢検1級
部首:⼿
18画