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措置
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そち
ふりがな文庫
“
措置
(
そち
)” の例文
しかし、光栄ある一族の中から犯人を出すまいとすると、そこになんらかの
措置
(
そち
)
で、覆わねばならぬ必要に迫られたのです。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
とにかく妻子を死なせてはならない。そのために万全の
措置
(
そち
)
を講じなければならぬ。しかし、私には金が無かった。
薄明
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
いかになることかとびくびくしていた生徒共は校長の
措置
(
そち
)
にほっと安心した、たい焼き屋はすぐに退却した
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
依頼人がロス氏というビジネス界と市政の
大立物
(
おおだてもの
)
なので、とくに大事をとったにすぎなかったのかもしれないが、この署長の
措置
(
そち
)
は、おおいに
機宜
(
きぎ
)
を得たものとして
チャアリイは何処にいる
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
結婚の困難な現代に処する婦人の覚悟として、これは甚だ立派な態度、
健気
(
けなげ
)
な
措置
(
そち
)
と申す外はない。
女子の独立自営
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
▼ もっと見る
本署は好意的に、破格といってもいい寛大な
措置
(
そち
)
を取ることを考慮しているんですよ。あの悪漢を
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
彼は、あらゆる
変
(
へん
)
に応じうる万全な
措置
(
そち
)
をとっていた。新田が自暴自棄となって、みかどを監禁し、玉砕に出ぬともかぎらぬ——ことまで予想にいれていたからだった。
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一郎の
措置
(
そち
)
がもう一秒遅かったとしたら、教授の
額
(
ひたい
)
には孔があいていたかもしれない。
恐怖の口笛
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
その時貞白は浜照が
身受
(
みうけ
)
の相談相手となり、その
仮親
(
かりおや
)
となることをさえ諾したのである。当時兄の
措置
(
そち
)
を喜ばなかった五百が、平生
青眼
(
せいがん
)
を以て貞白を見なかったことは、想像するに
余
(
あまり
)
がある。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
あの緊密な包囲形をどう潜り抜けたものか、また伸子が犯人で、
法水
(
のりみず
)
の機智から発した包囲を悟り、絶体絶命の
措置
(
そち
)
に出たものであろうか……。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
の
措置
(
そち
)
は、よくよくなことだった。窮余の急、やむをえなかったともいえようか。
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一大決心をし、生命を賭しての
措置
(
そち
)
であったのだが、疑いもなく、暴力行為だ。
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
措置
(
そち
)
を考え、あれこれと、名人の指が盤上へ、
一石
(
いっせき
)
一石と打ち下ろすように、自室から、命令を出してはいたが、独りでいるその居室は、それ以外には、何の気配も
咳
(
せき
)
の
声
(
こえ
)
もしなかった。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
箸
(
はし
)
の間にも、彼は、その
旺
(
さかん
)
なる食欲と同じように、絶えまなく時務を聴き、処置を断じ、また
発足
(
ほっそく
)
の
措置
(
そち
)
をあれこれと左右へ命じておくなど、飽くまで旺盛な気力と
周到
(
しゅうとう
)
な頭脳を働かせていた。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“措置”の意味
《名詞》
措 置(そち)
始末をつけるために、必要な方法をとること。
(出典:Wiktionary)
措
常用漢字
中学
部首:⼿
11画
置
常用漢字
小4
部首:⽹
13画
“措”で始まる語句
措
措辞
措定
措所無
措大
措所
措画
措致
措葉