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投頭巾
柿色の
投頭巾に、横筋の
袖無、丸ぐけの太い
紐で、胸に人形箱をかけた、この頃町でよく見る
飴売りの
傀儡師という姿の者。
金襴で
錏がわりに
装飾った
投頭巾、
輪頭形の冑の頂上に、雄猛子の鬚をつけた
厳つい冠もの、そのような冠ものを
冠った方は数多く見えましたが
短き
暖簾を
頭にて分け、口
大く、
皺深く、眉迫り、ごま
塩髯硬く、
真赤に
酔いしれたる
面を出し、夫人のその姿をじろりと
視る。はじめ
投頭巾を
被りたる間、おもて柔和なり。