承久じょうきゅう)” の例文
承久じょうきゅうノ乱で、この佐渡へ流され給うた順徳じゅんとく上皇の黒木くろき御所ごしょやら、日蓮上人が氷柱つららの内に幽居した塚原ノ三昧堂まいどうなどへも、まいってみた。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
承久じょうきゅうの乱にひとしくふしあわせな運命におあいなされた後鳥羽ごとば土御門つちみかど、順徳の三帝を祭神として、いまはそこに官幣中社かんぺいちゅうしゃが建っているのだが
蘆刈 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
公家の階級は、承久じょうきゅうの乱後、反抗の力を失って、好んで武士にびた。粗暴な活気を保持していた大寺の僧兵も、武士階級の威圧によってようやくその鋒先ほこさきを鈍らせた。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
壬申じんしんノ乱の大海人おおしあま皇子みこ軍。木曾義仲の寿永じゅえいの都入り。承久じょうきゅうらんの北条勢と朝廷がた
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
思うに、地方の武士どもは、かつての承久じょうきゅうノ乱なるものを、今もなかなか忘れはおるまい。——あの乱で、宮方へくみした武族は、以後ことごとく、末代まで浮かばれぬ破滅はめに落ちてしもうた。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「大覚寺統は、亀山上皇を中心に、承久じょうきゅうらんの怨みを報ぜんと計っている」
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
元々、西園寺家と北条氏とは、遠い承久じょうきゅうらんいらいの深い因縁がある。