批判ひはん)” の例文
更に人格の深処に根ざした、我々が一生の一大事である。純を尊び雑をいやしむのは、好悪かうを如何いかんを超越した批判ひはん沙汰さたに移らねばならぬ。
雑筆 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
しかしこの光景こうけいは、家人によって、あまり見っともないとて禁止きんしされた。そしてこの子は幸だとかお父さんのよい玩具だとか批判ひはんされた。
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)
こゝらにも各人が作の價値かち批判ひはんする心持の相違さうゐがあると見えますが、「和解」にゑがかれてゐる作のテエマ、即ち父と子のいたましい心の爭鬪さうとうに對してはたらいてゐる作者の實感じつかん
三作家に就ての感想 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
そのはずで、村ではもう大石先生批判ひはんの声があがっていたのだ。
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
批判ひはんに及びし條彌々いよ/\以て不屆き至極なり右樣の儀を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
何者なにものにもと意味いみ世評せひやうとか、先輩せんぱいせつとか、女學校ぢよがくかう校長かうちやう意見いけんとか、さういふ他人たにん批判ひはんふのである。
読書の態度 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
万人は親の子でなくて、親の親の親の親等広い範囲はんいと関係があって、いわば天の子であり、その意味で、親そのものを批判ひはんし、教育し、是正ぜせいし、攻撃こうげきしているものであることを感じる。
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)