打敷うちしき)” の例文
千兩箱は打敷うちしきの上に乘つたまゝ、何んの變りもありません、が、ヒヨイと見た樽屋金兵衞さんは、——これは變だ、千兩箱が代つて居る——と申すのです
銭形平次捕物控:274 贋金 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
しきまゐらせよと云ひければお梅は夫のとこ打敷うちしき臥戸ふしどに伴ひけるに傳吉も安堵あんどせしにや枕に着くと其の儘にねぶりけるが翌日の巳刻よつ時分漸々起出おきいでかほを清め佛前へ向ひ回向ゑかうし前夜のくし
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
御前へ女二にょにみやのほうから粉熟ふずくが奉られた。じんの木の折敷おしきが四つ、紫檀したん高坏たかつき、藤色の村濃むらご打敷うちしきには同じ花の折り枝が刺繍ぬいで出してあった。銀の陽器ようき瑠璃るりさかずき瓶子へいし紺瑠璃こんるりであった。
源氏物語:51 宿り木 (新字新仮名) / 紫式部(著)
きらびやかなる打敷うちしきは夢の解衣ときぎ
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
「坊主の袈裟けさに、佛樣の打敷うちしき、——外にはありませんね。あ、さう/\、掛け物の表具、女の子の帶」