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手癖
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てくせ
ふりがな文庫
“
手癖
(
てくせ
)” の例文
百にも、おしげにも、
理
(
わけ
)
がわからなかったのである。兄弟子たちは、出てゆく百へうしろ指をさして、
手癖
(
てくせ
)
がわるいとささやき合った。
野槌の百
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ああ
無闇矢鱈
(
むやみやたら
)
に料理を
拵
(
こしら
)
えるのか? どうして蔵の中があんなに
空
(
から
)
になっているのか? どうして女中頭はああ
手癖
(
てくせ
)
が悪いのか? どうして下男どもはあんなに不潔で
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
何
(
いず
)
れも同説で、
夫
(
そ
)
れから
陸
(
おか
)
に
上
(
あがっ
)
て茶屋見たような処に行て、
散々
(
さんざん
)
酒を
飲
(
のん
)
でサア船に帰ると云う時に、誠に
手癖
(
てくせ
)
の悪い話で、その茶屋の廊下の棚の上に
嗽茶椀
(
うがいぢゃわん
)
が一つあった
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
餓鬼
(
がき
)
の折から
手癖
(
てくせ
)
が悪く……じゃあ大変だが、まあ
些
(
ち
)
っとばかりペンペンを仕込まれたのが因果で、
先
(
ま
)
ず小田原を
振出
(
ふりだ
)
しに、東海道を股にかけという程でもございませんが
影:(一幕)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
偶然三造が見かけによらない悪人であることを発見しました。奴はあれで
手癖
(
てくせ
)
が悪いのです。脱衣場に忘れ物などをして置くと、こっそり取ってしまうのです。私はその現場を見たことがある。
湖畔亭事件
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
▼ もっと見る
「泥棒という声が聞えたが、部屋を出ても、まだ
手癖
(
てくせ
)
がやまねえな。……おお
彼方
(
むこう
)
に
老婆
(
としより
)
が仆れている。甲州者はおれが捕まえているから、あの
老婆
(
としより
)
を
労
(
いたわ
)
って来い」
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
手
常用漢字
小1
部首:⼿
4画
癖
常用漢字
中学
部首:⽧
18画
“手”で始まる語句
手
手拭
手前
手巾
手繰
手許
手向
手綱
手際
手燭