-
トップ
>
-
我心
>
-
わがこゝろ
胸のなやみに
射る
矢のおそろしく、
思へば
卑怯の
振舞なりし、
身の
行ひは
清くもあれ
心の
腐りの
棄難くば
同じ
不貞の
身なりけるを、
卒さらば
心試しに
拜し
參らせん、
殿も
我心を
見給へ
置ては
別莊守りの
夫婦のみなれど
最愛の
娘病氣との
事なり
本宅よりの
使ひ
絶ま
無ければ
事によそへて
杉原のこと
問はするに
本宅にも
此頃さらに
參り
給はずといふ
左るにても
何とし
給ひしにや
我心を