悲觀ひくわん)” の例文
新字:悲観
「だつて小六ころくさんなんか、まだわかいぢやありませんか。なにをしたつてこれからだわ。そりやにいさんのことよ。さう悲觀ひくわんしてもいのわ」
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
『百ねんてさうもかんでせうが、二十ねん其邊そこらびますよ。』ハヾトフはなぐさがほ。『なんんでもりませんさ、なあ同僚どうれう悲觀ひくわんももう大抵たいていになさるがいですぞ。』
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
卯平うへい年末ねんまつ出代でがはり季節きせつになれば持病ぢびやうにして、奉公ほうこうもどうしたものかと悲觀ひくわんすることもあるが、我慢がまんをすればしのげるのでつひ居据ゐすわりにつてるうちに何時いつでもはる季節きせつかへつて
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)