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悲觀
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ひくわん
「だつて
小六さんなんか、まだ
若いぢやありませんか。
何をしたつて
是からだわ。そりや
兄さんの
事よ。さう
悲觀しても
可いのわ」
『百
年てさうも
行かんでせうが、二十
年や
其邊は
生き
延びますよ。』ハヾトフは
慰め
顏。『
何んでも
有りませんさ、なあ
同僚。
悲觀ももう
大抵になさるが
可いですぞ。』
卯平は
年末の
出代の
季節になれば
其の
持病を
苦にして、
奉公もどうしたものかと
悲觀することもあるが、
我慢をすれば
凌げるので
遂居据りに
成つて
居るうちに
何時でも
春の
季節に
還つて