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悦楽
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えつらく
ふりがな文庫
“
悦楽
(
えつらく
)” の例文
旧字:
悦樂
それはこんな
淋
(
さび
)
しい
田舎暮
(
いなかぐら
)
しのような高価な
犠牲
(
ぎせい
)
を
払
(
はら
)
うだけの
値
(
あたい
)
は十分にあると言っていいほどな、人知れぬ
悦楽
(
えつらく
)
のように思われてくるのだった。
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
「じたい関東武者などは、物の値打ちも余暇の愉しみようも知らぬ不風流者。ひとつ彼らにもこの
悦楽
(
えつらく
)
を
頒
(
わ
)
かってやろう。——女狩りばかりが
能
(
のう
)
でもあるまい」
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
尤
(
もっと
)
も彼の場合、その遣る瀬なさは、自分の
悦楽
(
えつらく
)
が思うように
叶
(
かな
)
えられないと云うよりは、此の若い妻に申訳ないと云う気持から来る方が多いのではあったが、………
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
自分の
悦楽
(
えつらく
)
のためにはこの船長はおれたちの生命を、いつでも
鱶
(
ふか
)
の前に投げてやるだろうに。
海に生くる人々
(新字新仮名)
/
葉山嘉樹
(著)
平岡は
酔
(
よ
)
ふに従つて、段々
口
(
くち
)
が多くなつて
来
(
き
)
た。
此男
(
このをとこ
)
はいくら酔つても、
中
(
なか
)
/\平生を離れない事がある。かと思ふと、大変に元気づいて、調子に一種の
悦楽
(
えつらく
)
を帯びて
来
(
く
)
る。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
そうしてあらゆる
淫蕩
(
いんとう
)
と、そうしてあらゆる
悦楽
(
えつらく
)
とに夜昼となく溺れていた。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
女の良人
楊雄
(
ようゆう
)
の目を
偸
(
ぬす
)
む恐ろしさは封じえないが、それにもまさる秘密な
悦楽
(
えつらく
)
の
唆
(
そそ
)
りは
熟
(
う
)
れた果実のように巧雲の体から
嗅
(
か
)
がれる。巧雲もまた、いまは触れなば落ちん
風情
(
ふぜい
)
で、男の手へ。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“悦楽”の意味
《名詞》
悦楽(えつらく)
悦び、楽しむこと。そのような楽しみ。
(出典:Wiktionary)
悦
常用漢字
中学
部首:⼼
10画
楽
常用漢字
小2
部首:⽊
13画
“悦”で始まる語句
悦
悦喜
悦服
悦之進
悦治
悦気
悦々
悦賀
悦事
悦嘉