“悦楽”の読み方と例文
旧字:悦樂
読み方割合
えつらく100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それはこんなさびしい田舎暮いなかぐらしのような高価な犠牲ぎせいはらうだけのあたいは十分にあると言っていいほどな、人知れぬ悦楽えつらくのように思われてくるのだった。
美しい村 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
「じたい関東武者などは、物の値打ちも余暇の愉しみようも知らぬ不風流者。ひとつ彼らにもこの悦楽えつらくかってやろう。——女狩りばかりがのうでもあるまい」
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もっとも彼の場合、その遣る瀬なさは、自分の悦楽えつらくが思うようにかなえられないと云うよりは、此の若い妻に申訳ないと云う気持から来る方が多いのではあったが、………
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)