御法ごはふ)” の例文
ロレ おゝ、罪深つみふかや/\! おゝ、作法知さはふしらず、恩知おんしらず! これ、そなた罪科ざいくわ國法こくはふでは死罪しざいとある、しかるに慈悲深じひぶか御領主ごりゃうしゅそなたかたち、御法ごはふげ、おそろしい死罪しざい追放つゐはうとはへさせられた。
委細くはしく御物語り申せばながき事なるが一寸摘んでおはなし致さん此金子と云は最早十八年以前の事にてもとわたくしの國許くにもと越後の高田に居たる頃同じ家中新藤市之丞と云者ありしが同役の娘と密通みつつうに及びし事薄々うす/\役人どものみゝに入御家の御法ごはふ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
兩端に申立るでう不屆至極なりと勃然やつきとなりて怒るにぞ九助は二言と返答へんたふもせず居たりしかば理左衞門は家老中へむか此期このごに及んで斯の如きの始末しまつ言語同斷の曲者くせものゆゑ彌々いよ/\今日御所刑しおきに行ひ然るべしと申時主計かずへ點頭うなづき如何いか御法ごはふの如く申渡て宜からんと云を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)