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後退
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あとすざ
ふりがな文庫
“
後退
(
あとすざ
)” の例文
馬は、重荷のために
後退
(
あとすざ
)
りするのを防ごうとして、
蹄
(
ひづめ
)
にこめた満身の力でふるえながら、脚をひろげ、鼻息をふうふう
喘
(
はず
)
ませている。
乞食
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
彼女は、
盲人
(
めくら
)
のそばをすれすれに歩き、わざと
肱
(
ひじ
)
をぶつけたり、足を踏んだりするのである。彼はしかたがなく、
後退
(
あとすざ
)
りする。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
そこから僕はすこし
後退
(
あとすざ
)
りしながら、それをぼんやり見てゐると、僕のそばをリュックを背負つた三人の男達が默々として通り拔けて行つた。
牧歌:恩地三保子嬢に
(旧字旧仮名)
/
堀辰雄
(著)
さあ皆が大いに
慌
(
あわ
)
ててバックをして見たが一生懸命漕いだ勢いで
泥
(
どろ
)
に深く
喰
(
く
)
い込んだ艇はちっとも
後退
(
あとすざ
)
りをしない。
競漕
(新字新仮名)
/
久米正雄
(著)
女は思わず
後退
(
あとすざ
)
りをした。しかし、そうした心が恥かしくもあり、男のことを思えば気の毒にもなって、その切なる頼みを無下に拒むわけにも行かなかった。
暗中の接吻
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
▼ もっと見る
と、心の中で
呟
(
つぶや
)
いた——おやじは、兄貴のフェリックスにはちゃんと接吻をした。
後退
(
あとすざ
)
りなんかしないで、するままにさせていた。どういうわけで、このおれを避けるのだ。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
彼は
後退
(
あとすざ
)
りをして、犠牲者の様子を覗きこんだ。小さな懐中電燈の
燈
(
あか
)
りだけでは、シャツの上から刺した
創口
(
きずぐち
)
がどんな風か、血が出たか
何
(
ど
)
うかも見分けがつかなんだ。
空家
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
それからもう一度、前へ
屈
(
こご
)
みかけて、また
後退
(
あとすざ
)
りをした。にんじんは、その
頬
(
ほっ
)
ぺたをと思ったのだが、それも、だめだった。鼻の頭をやっとかすったぐらいだ。彼は、空間に接吻をした。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
真暗で馬は見えないけれど、
嘶
(
いなな
)
きを便りに行ってみると、元の場所から少し
退
(
さが
)
ったところに、馬は相変らず横っ倒れになっていた。車台がそれだけ
後退
(
あとすざ
)
りをしたのである。
乞食
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
私はいきなり階段を駆け
登
(
あが
)
って、旦那様のこのお
室
(
へや
)
の戸を叩きましたが、御返事がないものですから、
室内
(
なか
)
へ入って御様子を見ると、思わず
後退
(
あとすざ
)
りをして大声で助けを呼びました。
見開いた眼
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
と同時に馬がたじたじと
後退
(
あとすざ
)
りをしたものだから、馬子はアッ! と叫んで
打倒
(
ぶったお
)
れた。
乞食
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
“後退”の解説
後退(こうたい、en: retrograde movement)は、現代戦術論において、現在の戦況の改善を目的とし、戦闘を中止して敵との交戦を回避しつつ前線に対して後方への機動、または敵から距離を置く戦術行動である。後退行動とも呼ばれる。
(出典:Wikipedia)
後
常用漢字
小2
部首:⼻
9画
退
常用漢字
小6
部首:⾡
9画
“後”で始まる語句
後
後生
後方
後悔
後姿
後家
後手
後日
後世
後裔