後学こうがく)” の例文
る医者の紹介で、後学こうがくめ解剖を拝見致したいから誰か来て熊を解剖してれぬかと塾にいって来た。「それは面白い」。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
「そりゃアおもしろいでしょう、な、わたくしも後学こうがくのためにおともいたしましょう」そうは軽い気持ちで答えたけれども
猫八 (新字新仮名) / 岩野泡鳴(著)
孝孺のちに至りて此詩を録して人にしめすの時、書して曰く、前輩せんぱい後学こうがくつとめしむ、惓惓けんけんこころひとり文辞のみにらず、望むらくはあいともに之を勉めんと。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
客「いかにも後学こうがくのためだ、一つ拝見致しましょう」妻君「拝見ばかりではいけません、少し手伝って下さい」客
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
「ところで、いったいきみは何者だね。この二十面相をこんなめにあわせるやつがあろうとは、おれも意外だったよ。後学こうがくのために名まえを教えてくれないか。」
怪人二十面相 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「ホホホホ面白い事」と云ったのは細君で、「馬鹿にしていらあ」と庭の方を向いたのは主人である。ただ寒月君だけは「どうかその懐旧談を後学こうがくのために伺いたいもので」
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「それはもう、ご方針のままに。——吾々にもよい後学こうがくに相成りますから」
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
後学こうがくの為め承わろう」
ガラマサどん (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「だって、あっしにも分らねえおかしなもんだからちょっと後学こうがくのために。」
幻談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)