強靱きやうじん)” の例文
すべてが細々として、頼りないやうですが、何處かに強靱きやうじんなところがあり、考へやうではスポーツ型とも言へるでせう。
毎日まいにちかならあせでぐつしりとしめるので、強靱きやうじん纎維せんゐちからもろつて、あきつめたい季節きせつまでにはどうしても中途ちうとで一へねばならぬと勘次かんじ自慢じまんしてひもほこりくははつてよごれてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
彈力のある強靱きやうじんな聲がその口からほとばしり出た。
天国の記録 (旧字旧仮名) / 下村千秋(著)
四十七八の分別者で、何んとなく『叩き上げた』と言つた強靱きやうじんな性格を思はせる男です。
凄まじい恐怖きようふが、花火のやうに炸裂さくれつしたのも無理はありません。部屋の中に若い娘が一人、首に強靱きやうじん麻繩あさなはを卷かれ、その繩尻を二間ばかり疊から縁側に引いて、俯向うつむきになつたまゝ死んでゐたのです。