建部たてべ)” の例文
内々にてばん建部たてべの兩人へ告知らせければ伴建部の兩人も甚だおどろき此儀一日も打捨置難うちすておきがたし御兄弟諸倶もろともに主税之助樣の計略にかゝり御命を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
玄白とは初代玄白よくであらうか。玄白は初め子がなかつたので、建部たてべ伯元勤はくげんきんを養つて嗣とした。其後一児を挙げたのが立卿予りつけいよである。むすめの事は伝に見えない。きんとのぢよの事も亦同じである。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
お供先の建部たてべ六、磯貝いそがい十郎左衛門、中村清右衛門などが、悄然として城内からそろって出て来た。若い磯貝十郎左衛門の瞼が、紅くなっているのを見ると、誰もが、はっと恐怖的な動悸どうきに打たれた。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
三河町の手習師匠建部たてべ久馬の娘お雪、——これは後で聽きました。
其方儀先代せんだい嘉川平助におんも有之り候由にて藤五郎藤三郎建部たてべ郷右衞門ばんすけ十郎右四人かくまひ候だん深切しんせつ致方いたしかたに候得共えども身分不相應さうおうなる儀につき以後法外之なき樣心掛べし
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
退き臥床ふしどに入ければ夜は深々しん/\降積ふりつもる雪に四邊あたり䔥然しめやかにていひきの聲のみ聞えるにぞばん建部たてべの兩人は今や/\と窺ふをりお島は藤三郎を抱上いだきあげ小用こよう連行つれゆくてい持成もてなし座敷々々を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)