トップ
>
幽翠
>
ゆうすい
ふりがな文庫
“
幽翠
(
ゆうすい
)” の例文
一叢
(
ひとむら
)
の
幽翠
(
ゆうすい
)
につつまれて
閑寂
(
かんじゃく
)
な
庫裡
(
くり
)
や本堂が見える。秀吉は山門に駒をすて、近侍たちとともにぞろぞろと入って行った。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一面に
青草
(
あおぐさ
)
で、これに松の
翠
(
みどり
)
がかさなって、
唯今頃
(
ただいまごろ
)
は
菫
(
すみれ
)
、夏は
常夏
(
とこなつ
)
、秋は
萩
(
はぎ
)
、
真個
(
まこと
)
に
幽翠
(
ゆうすい
)
な
処
(
ところ
)
、
些
(
ち
)
と行らしって
御覧
(
ごろう
)
じろ。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
だが、ここには鎌倉時代そのままな
谷
(
やつ
)
の
幽翠
(
ゆうすい
)
がしいんと残っていた。また、いただいたお茶に水の良さも思われた。
随筆 私本太平記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、右の崖を仰ぐと、崖の中腹に、室町風の古雅な観月亭と
廟
(
びょう
)
があって、狭い石ころ道は
苔
(
こけ
)
むして見え、その辺を縫ってなお、
幽翠
(
ゆうすい
)
な山の上へつづいている。
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
四方
(
あたり
)
は
幽翠
(
ゆうすい
)
な峰で、散り残った山ざくらが白く、七堂
伽藍
(
がらん
)
は、天野川の渓流が
繞
(
めぐ
)
るふところ谷にあり、山門へ渡る土橋から下をのぞくと、峰の桜が
片々
(
へんぺん
)
と流れにせかれて落ちてゆく。
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
山は
医王山
(
いおうざん
)
の
幽翠
(
ゆうすい
)
を背負って、
閑古鳥
(
かんこどり
)
でも
啼
(
な
)
きそうにさびていた。
鳴門秘帖:05 剣山の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
幽
常用漢字
中学
部首:⼳
9画
翠
漢検準1級
部首:⽻
14画
“幽”で始まる語句
幽
幽邃
幽霊
幽閉
幽冥
幽界
幽靈
幽寂
幽婉
幽谷