年倍としばい)” の例文
と、いまの若いのの声に浮かれた調子で、つら渋黒しぶくろくニヤ/\と笑つて、あとに立つたのが、のそ/\と出たのは、一ちょうと、かんてらをぶら下げた年倍としばいな船頭である。
光籃 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
る所なり不審ふしんに思はれなばくはしくは龜屋にて尋ね給へといふにぞ中にも年倍としばいの男が進出すゝみいでたづぬるは此人に相違さうゐなしさても駕籠のしう種々いろ/\とお世話せわかたじけなしと一れいのべじつは我々仔細しさい有て其女中を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
年倍としばいなる兀頭はげあたまは、ひものついたおおき蝦蟇口がまぐち突込つッこんだ、布袋腹ほていばらに、ふどしのあからさまな前はだけで、土地で売る雪を切った氷を、手拭てぬぐいにくるんで南瓜とうなすかぶりに、あごを締めて、やっぱり洋傘こうもり
瓜の涙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)