)” の例文
軒かたむいたごとから逃げ惑って行ったらしい嬰児あかごのボロれやら食器の破片などが、そこらに落ちているのも傷々いたいたしく目にみて
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
間に十二因縁をかたどった十二のはこを置かした。十二の筐の蓋には白いれが取り付けてあり、筐を繋ぎ並べると、一すじの白い道が通っているように見える。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
頭を風呂敷のようなれで包んで首の後でしばり、眼のありかがわからないくらいに細くなっている。笑っているのか、もともとそういう顔なのかわからない。
石ころ路 (新字新仮名) / 田畑修一郎(著)
白いぼろれ、白い旗など、手に手に持った百姓の老幼は、海嘯つなみのように外へ溢れだした。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
生まれ故郷の清河県せいかけんでもそうだったが、この街でもそろそろ兄さんを小馬鹿にする餓鬼がきどもの声が立っている。饅頭まんじゅう売りの人三化七にんさんばけしちだとか、ぼろッれの儒人こびとだとかろくな蔭口かげぐちを言やあしねえ。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ぶだ! ぶだ! ちんちくりんのぼろッれ」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)