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巷説
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こうせつ
ふりがな文庫
“
巷説
(
こうせつ
)” の例文
巷説
(
こうせつ
)
の魯迅の転機は、私にはどうしても少し
腑
(
ふ
)
に落ちないところがあるので、
敢
(
あ
)
えて苦手の理窟を大骨折りで述べて見た次第である。
惜別
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
おそらくは伝写に伝写をかさねて世を
経
(
へ
)
たものだろうから、どこまでがほんとか、記載のことも
巷説
(
こうせつ
)
の程度以上とは信じかねる。
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
かつて江戸町奉行がこれを撃つことを禁ぜようとしたが、津軽家が
聴
(
きか
)
ずに、とうとう上屋敷を
隅田川
(
すみだがわ
)
の東に
徙
(
うつ
)
されたのだと、
巷説
(
こうせつ
)
に言い伝えられている。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
紛々たる
巷説
(
こうせつ
)
の入りみだれる中で、つい最近まで戦火の渦中に身を
曝
(
さら
)
していたこの
連歌師
(
れんがし
)
の口から、その眼で見て来た確かな京の有様を聞きたいのは、無理もない次第に違いない。
雪の宿り
(新字新仮名)
/
神西清
(著)
マンハイムとその友人らは、パリーの文学的および社交的方面に
通暁
(
つうぎょう
)
していた、もしくは通暁してるふうを見せかけていた。聞きかじった
巷説
(
こうせつ
)
やまたは多少了解してる事柄を、盛んにくり返していた。
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
▼ もっと見る
事実そのものが劇的であり過ぎるということに
却
(
かえ
)
って、
懐疑
(
かいぎ
)
をもち、これを通俗中の
巷説
(
こうせつ
)
と片づけてしまいたいものがあるのではなかろうか。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
紛々たる
巷説
(
こうせつ
)
の入りみだれる中で、つい最近まで戦火の渦中に身を
曝
(
さら
)
してゐたこの
連歌師
(
れんがし
)
の口から、その眼で見て来た確かな京の有様を聞きたいのは、無理もない次第に違ひない。
雪の宿り
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
巷説
(
こうせつ
)
には水戸侯と血縁があるなどといったそうであるが、どうしてそんな説が
流布
(
るふ
)
せられたものか、今考えることが出来ない。わたくしはただ
風采
(
ふうさい
)
が
好
(
よ
)
かったということを知っているのみである。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
「また、うわさか、よくいろいろなうわさが飛び出す。頼政にかつがれて、宇治でご最期遂げられた
以仁王
(
もちひとおう
)
が、まだ生きていらっしゃるという
巷説
(
こうせつ
)
ではないか」
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
などと
巷
(
ちまた
)
の批判まちまちであったが、これは、
巷説
(
こうせつ
)
の常として、少し
穿
(
うが
)
ちすぎている。事実はいつも複雑に似て単純だ。それを複雑怪奇にするのは、世上の臆測観察の
業
(
わざ
)
である。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
疲れた手足をぐッたりとのばして、枕に目をふさぎましたが、次郎の話した奇怪な
巷説
(
こうせつ
)
が、どうもまたしきりに彼の
猟奇心
(
りょうきしん
)
を駆って、ついさまざまな空想にとらわれてなりません。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
忠明を推薦したという如き——みなそれに類する
巷説
(
こうせつ
)
といえよう。
剣の四君子:05 小野忠明
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
とする
巷説
(
こうせつ
)
を裏書して、いやが上にも領下の不安を
募
(
つの
)
らせていた。
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そういう
巷説
(
こうせつ
)
が一時行われた。心ある者はそれを取って云った。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“巷説”の意味
《名詞》
街に流れる噂。巷談。
(出典:Wiktionary)
巷
漢検準1級
部首:⼰
9画
説
常用漢字
小4
部首:⾔
14画
“巷”で始まる語句
巷
巷間
巷路
巷談
巷話
巷辺
巷勇
巷巷
巷都
巷里