トップ
>
屑
>
いさぎ
ふりがな文庫
“
屑
(
いさぎ
)” の例文
妹の夫の手前、金の問題などを彼女の前に持ち出すのを最初から
屑
(
いさぎ
)
よしとしなかった彼は、この事情のために、なおさら堅くなった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
自ら
屑
(
いさぎ
)
よしとしない文学を以てすらもなおかつかくの如く永久朽ちざる事業を残したというは一層故人の材幹と功績の偉なるを伝うるに足るだろう。
二葉亭四迷の一生
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
どうぞそれだけは安心して、後へ心を残さぬように、
屑
(
いさぎ
)
ようお主の敵を討ってくださりませ
四十八人目
(新字新仮名)
/
森田草平
(著)
「今の心いさゝかは
屑
(
いさぎ
)
よからずとも、小を捨てゝ大につくは恥とすべきにも非ず。」
婦人と文学
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
と、悪虐を描くためには、悪虐し、殺人にはみずから殺人するか、そんな
世間法
(
せけんほう
)
な賊は、文壇にどんな功があろうとも
齢
(
よわい
)
するを
屑
(
いさぎ
)
よしとしない。特にそんな奴には警察が厳重にしてくれ。
田沢稲船
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
▼ もっと見る
彼が私の力を仮りることを
屑
(
いさぎ
)
よしとしていないのでないとすれば、そうたいした学校を出ていない自分を卑下しているか、さもなければその仕事に興味をもたないのであろうと考えられた。
蒼白い月
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
男子の本領として
屑
(
いさぎ
)
よく放棄したり。
寒中滞岳記:(十月一日より十二月廿一日に至る八十二日間)
(新字新仮名)
/
野中至
(著)
自分は
屑
(
いさぎ
)
よく
涙金
(
なみだきん
)
を断った。断った表向は
律義
(
りちぎ
)
にも見える。自分もそう考えるが、よくよく
詮索
(
せんさく
)
すると、慾の
天秤
(
てんびん
)
に
懸
(
か
)
けた、利害の判断から出ている事はたしかである。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
陸
(
くが
)
や浜田は早くも去って古川一人が自恃庵の残塁に
拠
(
よ
)
っていたが、区々たる官僚の
規矩
(
きく
)
を守るを
屑
(
いさぎ
)
よくしないスラヴの変形たる老書生が官人気質の小叔孫通と
容
(
い
)
れるはずがないから
二葉亭四迷の一生
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
この事件後僕は同じ問題に関して母の満足を買うための努力をますます
屑
(
いさぎ
)
よしとしなくなった。自尊心の強い父の子として、僕の神経はこういう点において自分でも驚ろくくらい過敏なのである。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
死ぬとすればその方が
屑
(
いさぎ
)
よいかも知れない。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“屑”の意味
《名詞》
(くず)こわれて、つかわなくなったもの。
(くず) なんの役にもたたないもの。
(くず) よいところをとったあとにのこったもの。
(出典:Wiktionary)
屑
漢検準1級
部首:⼫
10画
“屑”を含む語句
鋸屑
木屑
鉄屑
屑屋
藁屑
屑鉄
塵屑
削屑
紙屑買
屑買
火屑
紙屑問屋
紙屑
藻屑
鉋屑
屑籠
糸屑
星屑
紙屑屋
大鋸屑
...