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尺度
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ものさし
ふりがな文庫
“
尺度
(
ものさし
)” の例文
十右衛門の訴えは何処までがほんとうで、政吉の申し立ては何処までがほんとうか、その寸法を測る
尺度
(
ものさし
)
を見つけ出すのに半七も苦しんだ。
半七捕物帳:10 広重と河獺
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
団扇掛
(
うちわかけ
)
に長い
尺度
(
ものさし
)
の結び着けたのが
櫓
(
ろ
)
の代りになり、
蒲団
(
ふとん
)
が舟の中の
蓆莚
(
ござ
)
になり、畳の上は小さな船頭の舟
漕
(
こ
)
ぐ場所となって
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
彼が自負している剣の理から、この人物の底を計ろうとしても、持ちあわせの
尺度
(
ものさし
)
では寸法が足らないような尊敬を正直に持ってしまった。
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一生を
斗量
(
はかり
)
にかけ
尺度
(
ものさし
)
にはかり、これほどゝ限りある圖の中に、身は目に見えぬ繩につながれ、人の言葉を守り人の
命令
(
さしづ
)
に働き、功は後の世に殘る事もなく
花ごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
しかし、耳順う境地に達するまでは、わしの行為の
尺度
(
ものさし
)
の目盛は、どうやら精密を欠いていたようじゃ。
論語物語
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
▼ もっと見る
「それは眼で見る事ができ、
尺度
(
ものさし
)
で計る事のできる物体についての話でしょう。心にも形があるんですか。そんならその中心というものをここへ出して御覧なさい」
硝子戸の中
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
真実
(
まこと
)
を
云
(
いえ
)
ば一尺の
尺度
(
ものさし
)
が二尺の影となって映る通り、自分の心という
燈
(
ともしび
)
から、さほどにもなき女の影を天人じゃと思いなして、恋も
恨
(
うらみ
)
もあるもの、お辰めとても
其如
(
そのごと
)
く
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
巴里
(
パリイ
)
の城門を出るのに税関吏が
尺度
(
ものさし
)
を
以
(
もつ
)
て自動車の貯へて居る
揮発油
(
エツサンス
)
の分量を調べた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
今日の
尺度
(
ものさし
)
では、ちょいと
量
(
はか
)
りきれない
間伸
(
まの
)
びのしたものだ。
旧聞日本橋:21 議事堂炎上
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
ためらはず宇宙を測る
尺度
(
ものさし
)
にわれ自らの本能を取る
註釈与謝野寛全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
世のなかには普通の
尺度
(
ものさし
)
で測ることの出来ない不思議の多いのをかんがえると、半七はまだ容易にどちらへも勝負をつけるわけには行かなかった。
半七捕物帳:35 半七先生
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
昔は一藩の家老が地方を巡見したといふだけでも、ちよつと今日の
尺度
(
ものさし
)
にはあてはめられない。
桃の雫
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
馬琴の小説はイヤに偏屈で、隅から隅まで
尺度
(
ものさし
)
を当ててタチモノ
庖丁
(
ぼうちょう
)
で裁ちきったようなのが面白くなくも見えましょうが、それはそれとして置いて、馬琴の大手腕大精力と
馬琴の小説とその当時の実社会
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
それを部屋の真中に
覆
(
ひつくりかへ
)
して、早速舟を漕ぐ真似を始めた。麻の夏蒲団は
蓆筵
(
ござ
)
の代りに成つた。小さな畳の上の船頭は
団扇掛
(
うちはかけ
)
に長い
尺度
(
ものさし
)
を
結
(
ゆは
)
ひ着けて、それで
櫓
(
ろ
)
の形を造つた。
出発
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
尺
常用漢字
小6
部首:⼫
4画
度
常用漢字
小3
部首:⼴
9画
“尺度”で始まる語句
尺度一点張