トップ
>
小謡
>
こうたい
ふりがな文庫
“
小謡
(
こうたい
)” の例文
松之助は少しまえに寝てしまい、ひっそりと静かになった組長屋のかなたから、なにか祝い事でもあるのだろう、
小謡
(
こうたい
)
のさびたこえが聞えて来た。
日本婦道記:糸車
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「これこれ。
煽立
(
おだ
)
てやんな。落ちぶれたなら声も落ちつろう。ただ
小謡
(
こうたい
)
よりも
節
(
ふし
)
が勝手で気楽じゃまで……」
名娼満月
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
そんな
小謡
(
こうたい
)
は父が汗を出して習うより早く、
障子
(
しょうじ
)
にうつる影を見て、子供たちの方がおぼえてしまった。
旧聞日本橋:21 議事堂炎上
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
「
桶狭間
(
おけはざま
)
へ御出陣の
晨
(
あした
)
、わが君が舞ってお立ちなされたという
小謡
(
こうたい
)
。これから貧しきわれらの若夫婦が、世の中へ出る門立ちにも、満ざらふさわしくないこともなかろうが」
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
蔑
(
さげす
)
むともなく、呟いた平馬、——自分もひどく楽しそうに、橋弁慶の
小謡
(
こうたい
)
を、
柄
(
つか
)
に扇子で、軽く拍子を取りながら、口ずさんで、月の無い夜を、ちゃらちゃらと、進んで行く。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
▼ もっと見る
その時まで遠々しく聞こえていた、嘉門の酔った
小謡
(
こうたい
)
の声が、だんだんこっちへ近寄って来て、藤棚の向こう側まで来たかと思うと、にわかにフッツリと絶えたからであった。
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
四海波静かにて、波も動かぬ時津風、枝を鳴らさぬ
御代
(
みよ
)
なれや、と勿体ない、祝言の
小謡
(
こうたい
)
を、
聞噛
(
ききかじ
)
りに
謳
(
うた
)
う下から、勝負!とそれ、
銭
(
おあし
)
の
取遣
(
とりや
)
り。板子の下が地獄なら、上も
修羅道
(
しゅらどう
)
でござります。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
祝儀には秋元家のお
側用人
(
そばようにん
)
を勤めるという老人が、おそらく自慢の芸なのだろう、さびのある枯れた声で
小謡
(
こうたい
)
を二番までうたい、めでたく式が終って酒宴になった。
主計は忙しい
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
人形使 口上
擬
(
まがい
)
に、はい
小謡
(
こうたい
)
の真似でもやりますか。
山吹
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
(信長どのの
数寄
(
すき
)
は舞と
小謡
(
こうたい
)
なそうでおざる)
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
小謡
(
こうたい
)
など
口誦
(
くちず
)
さんでいた。
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
小
常用漢字
小1
部首:⼩
3画
謡
常用漢字
中学
部首:⾔
16画
“小”で始まる語句
小
小児
小径
小鳥
小僧
小言
小路
小遣
小刀
小父