“聞噛”の読み方と例文
読み方割合
ききかじ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
聞噛ききかじったことを興味で書かれてはたまりませんし、読む人は、他人の苦痛はいくらでも忍耐が出来ますから、面白い方をよろこびますものね
一世お鯉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
蝦蟇とお通のあるためなりと納涼台すずみだいにて語り合えるを美人はふと聞噛ききかじりしことあればなり、思うてここに到るごとに、お通は執心の恐しさに、「母上、母上」と亡母を念じて
妖僧記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
四海波静かにて、波も動かぬ時津風、枝を鳴らさぬ御代みよなれや、と勿体ない、祝言の小謡こうたいを、聞噛ききかじりにうたう下から、勝負!とそれ、おあし取遣とりやり。板子の下が地獄なら、上も修羅道しゅらどうでござります。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)