小宿こやど)” の例文
南部の才浦さいうらと云ふところで、七日なぬかばかり風待かざまちをして居た内に、長八ちょうはちと云ふ若い男が、船宿ふなやど小宿こやどの娘と馴染なじんで、明日あす出帆しゅっぱん、と云ふ前の晩、手に手を取つて
印度更紗 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
南部なんぶ才浦さいうらところで、七日なぬかばかり風待かざまちをしてうちに、長八ちやうはちわかをとこが、船宿ふなやど小宿こやどむすめ馴染なじんで、明日あす出帆しゆつぱん、とまへばんつて
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
かまちの柱、天秤棒てんびんぼうを立掛けて、鍋釜なべかま鋳掛いかけの荷が置いてある——亭主が担ぐか、場合に依ってはこうしたてあい小宿こやどでもするか、鋳掛屋の居るに不思議はない。
唄立山心中一曲 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ご新姐のあだな処をおとりにして、碁会所を看板に、骨牌賭博かるたばくち小宿こやどという、もくろみだったらしいのですが、碁盤のやぐらをあげる前に、長屋の城は落ちました。
木の子説法 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)