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審
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さば
ふりがな文庫
“
審
(
さば
)” の例文
小女は座布団を出してはやらないので、冷い籐畳の広いまん中にたった一人坐った老人は寂しげに、そして
審
(
さば
)
きを待つ罪人のように見えた。
家霊
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
おかみさんは氣まりの惡いやうな、又一面には迅速に
審
(
さば
)
いた手際をほこるやうな樣子で、三田のところへ挨拶に來た。
大阪の宿
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
抑〻
(
そも/\
)
汝は何者なれば一
布指
(
スパンナ
)
の先をも見る能はずして席に着き、千
哩
(
ミーリア
)
のかなたを
審
(
さば
)
かんと欲するや 七九—八一
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
そうすると、裁判官というものは法によって公平に
審
(
さば
)
かねばならぬもので、何でもかでも人を処罰する目的で法廷へ出るものではないという教訓にもなりましょう。
自責
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
岸本は、あの病人の個性というものをよくも
見究
(
みきわ
)
めずに
唯
(
ただ
)
病気のみを診断しようとする医者のような人達から一口に自分の
行為
(
おこない
)
を
審
(
さば
)
かれることを非常に残念に思った。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
見てみよう? きっとこの世には
審
(
さば
)
きも
真
(
まこと
)
もあるのに違いない、わたしはそれを捜し出して見せる! 罰あたりのげす女め、今すぐだ、待ってるがいい! ポーレチカ
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
なぜなら彼は仏祖に倣って慈悲を行なうのであって悪を
審
(
さば
)
くのではないから。さらに言えば、彼にとって慈悲を行なうことは重大であるが悪を審くことは重大でないから。
日本精神史研究
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
「幸いにして私の予想が当った事をうれしく思います。綿井氏は秀岡氏が不慮の死に遭ったのを目撃して、不図悪心を起したのでしょう、神の
審
(
さば
)
きがすぐある事を知らず……」
旅客機事件
(新字新仮名)
/
大庭武年
(著)
校友の優しい目を予期して私が提供した、私にとっては一生懸命であった実際生活の報告書は私を囚人のごとき姿して、私を
審
(
さば
)
かんとする校友の卓の前に立たせたではないか。
愛と認識との出発
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
「友達の帰省に同行する」事実
夫
(
そ
)
れに相違なかった。だが、何という不思議な帰省であったろう。諸戸は父の膝元へ帰るのだ。併し、父の顔を見る為ではない。父の罪業を
審
(
さば
)
き父と闘う為に帰るのだ。
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
されど戰鬪
審
(
さば
)
く神、クロニーオーン權衡を
イーリアス:03 イーリアス
(旧字旧仮名)
/
ホーマー
(著)
貴方が
首脳
(
セルヴォ
)
で、僕は
手先
(
ブラ
)
だったのさ。『正義の
裁判
(
さばき
)
は唯一にして不変なり』っていうから、僕——『
神経家
(
ネルヴー
)
』の僕が
審
(
さば
)
いて、判決を下して、そして刑罰を行ってやろう。
誤診
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
審
常用漢字
中学
部首:⼧
15画
“審”を含む語句
不審
審判官
審判
審判者
審問
審配
御不審
不審気
不審氣
不審牢
審美的
不審紙
審議
審判人
不審顔
予審判事
審美眼
審言
審食其
陪審官等
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