家族うち)” の例文
さうしちやうま裾湯すそゆえてねえつてつちや家族うちものことしてなあ、百姓ひやくしやうはおめえ夜中よなかまでねむんねえでつちやらんねえな
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
何でも、「今から森の中にいる家族うちの者に逢いに行く。」といって聞かないのだそうだ。「森の中に、あの子の家があるのか?」と聞くと、「あるもんですか。」とミタイエレが言う。
光と風と夢 (新字新仮名) / 中島敦(著)
故里くにのほうに都合がついたら、趙君に面倒を見てもらって、帰りに、ハルビンまで家族うちのやつらを伴れて来てもらうつもりだ。旅券の関係で、ウラジオへ呼ぶということは厄介だからねえ。
私の家族うちは御飯のとき、向側の角が祖母、火鉢をはさんで父、すこしはなれて母、母の横から小さい姉妹が折曲おりまがって、祖母の前が丁度私の居場所になる。みんな、各自めいめいのお膳を行儀よくひかえる。
そんだが旦那だんなあれてから、家族うち奴等やつらこともおこんねえはあ、れうめえとこられつちやつたな、いやあれちや勿體もつてえながす、本當ほんたう勿體もつてえねえだよ
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「そりやさうと、おまへ家族うちきまりをつけるつもりだつていふんだが、まあどうするつもりなんだね」としづかいた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)