媒妁人ばいしやくにん)” の例文
媒妁人ばいしやくにんたゞさけんでさわいだだけであつた。おしなもなくをんなんだ。それがおつぎであつた。季節きせつくれつまつたいそがしいときであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
彼女は奉天の一旅館の娘だつたが、今から十七八年前、媒妁人ばいしやくにんなしで合意上の結婚をした。亭主は元来機械屋で、大陸育ちで大酒をのむたちの男。
老残 (新字旧仮名) / 宮地嘉六(著)
外聞げえぶんさらしやがつて」と卯平うへいおこつたがそれがためこと容易よういはこばれた。勘次かんじ婿むこつたのである。簡單かんたんしきおこなはれた。にはか媒妁人ばいしやくにんさだめられたものが一人ひとり勘次かんじれてつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)