やう)” の例文
冷たい何かの切石の上に、幽かな薄玻璃の鏡のやうに坐つて居た私の前に何時からとなく現れてひたと一列に座つた八九人の児供がある。
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
皆はけものやうな声を合せて叫んだ。博士はそのお礼に氷砂糖のやうな点をつけるのを忘れなかつた。
山の上から遠くの溪の底に親里の團欒の灯を眺めて胸を搾るやうに懷しがるのも無理はない。
箱根の山々 (旧字旧仮名) / 近松秋江(著)
私の身体ぢゆうに油を注いで、それに火をつけて、その火を風で煽るやうに、私は苦しくつて苦しくつて、騒がずに居られないやうな、折折気が狂ふのかと思ふやうな心持がして来ますの。
計画 (新字旧仮名) / 平出修(著)
深遠な書物のやうなあそこでのやうに
わがひとに与ふる哀歌 (新字旧仮名) / 伊東静雄(著)
奇異な赤い鶏頭、縁日物ながら血のやう鶏冠とさか疣々いぼ/″\が怪しい迄日の光を吸ひつけて、じつと凝視みつめてゐる私の瞳を狂気さす。
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
私の身體ぢゆうに油を注いで、それに火をつけて、その火を風で煽るやうに、私は苦しくつて苦しくつて、騒がずに居られないやうな、折々氣が狂ふのかと思ふやうな心持がして來ますの。私ねえ。
計画 (旧字旧仮名) / 平出修(著)
お菓子のやうな前大統領2・22(夕)
命かけての愛だの信実だのと云つた蜜のやうないつかの抱擁も千言万句の誓ひも歓語さゞめきも、但しは狂ひに狂つた欲念のほむら
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
肺病院のやうな東京物理学校のうす青灰色せいくわいしよくの壁に
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
暗い裂けた葉の陰影かげからせるやうに光る。
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)