如斯こんな)” の例文
「そんなら何故なぜお前さん月のうち十日は必然きっと休むの? お前さんはお酒はのまないし外に道楽はなし満足に仕事に出てさえおくれなら如斯こんな貧乏は仕ないんだよ。——」
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
文学でも武芸でも何でも外に出ることが出来さえすれば難有ありがたいと云うので出掛けたことだから、故郷を去るに少しも未練はない、如斯こんなところに誰が居るものか、一度いちど出たらば鉄砲玉で
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
致したりかすみせきの坂下にてわるいぬめが吼付ほえつくゆゑ據所よんどころなく拔討ぬきうちに犬を斬しが其血がはね衣類いるゐ如斯こんなよごせしなりと云つゝ吐息といきつくさまどうあやしく思はれたり夫のみならず第一に病家びやうかへ行にかさ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)