大日だいにち)” の例文
「されば、道に迷うて、ここまで来たが、越前へ下るには、どう参ったらよいか。越前路の大日だいにち越えは、どの方角にあたろうか」
茶漬三略 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いわく、大日だいにちという僧入宋して仏照徳光に参す。この大日は悪七兵衛景清が伯父なり。景清戦い負けて大日が所へ来る。
大日だいにちたけへ連なる山々を踏みわけて、木の繁みをくぐり潜り歩いて行くのだから、水にも遠くなる。
大菩薩峠:05 龍神の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
如来は、如実の道に乗じて、きたって正覚しょうがくを成す、とある通り仏の最上美称であって、阿弥陀あみだ釈迦しゃか薬師やくし大日だいにちなどをいうのであります。如来が一番むずかしいものとなっている。
タタライはおそらくタタラ師住地の義であろう。また上総夷隅いすみ郡東村大字山田の銕鋳坂かねえざかでは坂の上の草堂に銕像の大日だいにち一躯いっくを安置し、銕鋳坂は始めて大日の像を鋳たる地と伝えている(房総志料)。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
『不動様、大日だいにち様、どうぞ泥棒したことの知れませぬように』
迷信解 (新字新仮名) / 井上円了(著)
城ヶ島さつとひろげし投網なげあみのなかに大日だいにちくるめきにけり
雲母集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
「拙者は大日だいにち武者之助。お旗本までまかり通る!」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
そうでなければ、小蓮華しょうれんげ大日だいにちたけを通って、大池へ下りましょうか、大池から蓮華温泉へ出て一晩泊りましょうか。或いはまた、真直ぐに大町まで出たものでしょうか。
大菩薩峠:27 鈴慕の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
高氏の母が鑁阿寺にもうでる回で、広島県の一住職から投書があった。「地蔵如来は、地蔵菩薩に。また、たんに大日だいにちとあるのは、大日如来と訂正してください。その方が正しいのです」
随筆 私本太平記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大日だいにちを中にころがし右左畑打人形は畑うちかへす
雲母集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
『……ああ! 大日だいにち。……大日如来だいにちにょらい
大日だいにち
茶漬三略 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大日だいにち
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)