大嫌だいきらひ)” の例文
うさ。お前だツておれ大嫌だいきらひなことをよろこんでツてゐることがあるぢやないか。げんおれ思索しさくふけツてゐる時にバイヲリンをいたりなんかして………」
青い顔 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
その癖当人は政事臭い事には少しも手を出さない。それは何でも半分るといふことが大嫌だいきらひだからである。ところが先生は小間々々こまごました事にはすぐに閉口する。
魔睡 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
私は親にさからふのぢやない、阿父さんと一処に居るのをきらふのぢやないが、私は金貸などと云ふいやしい家業が大嫌だいきらひなのです。人をなやめておのれこやす——浅ましい家業です!
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
紅葉先生こうえふせんせいも、はじめは「豆府とうふ言文一致げんぶんいつち大嫌だいきらひだ。」と揚言やうげんなすつたものである。
湯どうふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
いやもう生得しやうとく大嫌だいきらひきらひといふより恐怖こわいのでな。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)