外国とつくに)” の例文
旧字:外國
その岡の上に麦酒ビール会社の建築物が現われて、黒い輪廓りんかくがあざやかに、灰色の空を区画くぎったところなど、何とはなしに外国とつくにの景色を見るようである。
駅夫日記 (新字新仮名) / 白柳秀湖(著)
森羅万象しんらばんしょうことごとく皇国すめらみくにに御引寄せあそばさるる趣きをく考へわきまへて、外国とつくにより来る事物はよく選み採りて用ふべきことで、申すもかしこきことなれども
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
木立の間、花の上、処々に現れた洋風の建築物たてものは、何様異なる趣きを見せて、未だ見ぬ外国とつくにの港を偲ばしめる。
漂泊 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
さては外国とつくにの人の誤つて銀の匙を水に落せし時魚の集り来りしを見て考へつきしといふ、光りあるものの付きたる鉤と同じく、これも光りに寄る魚の性に基づきたるなるべしなんど思ひつゝ
鼠頭魚釣り (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
恐ろしいのは外国とつくにだ! 恐ろしいのは異教徒だ! 憎むべきは吉利支丹きりしたんだ! ザビエル、ガゴー、フロエー、オルガンチノこれら切支丹の伴天連ばてれん共、教法に藉口しゃこうし耳目を眩し、人心を誘い邪法を用い
南蛮秘話森右近丸 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
客は外国とつくにの人多く、おん国の学生なども見えしやうなりき。
うたかたの記 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
秋津島やまとの民は外国とつくにと戦へば勝つ神随かみがらならし
礼厳法師歌集 (新字旧仮名) / 与謝野礼厳(著)
その御神徳の広大なるゆえに、しきの選みなく、森羅万象しんらばんしょうのことごとく皇国すめらみくにに御引寄せあそばさるる趣をく考へわきまへて、外国とつくにより来る事物はよく選み採りて用ふべきことで
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
外国とつくにのラリルレことば
(新字旧仮名) / 石川啄木(著)