夕風ゆうかぜ)” の例文
にんは、さびしいはたけほうあるいていきました。とうもろこしのが、夕風ゆうかぜうごいて、さっきからいているうまおいのこえが、よるのふけるにつれてだんだんえていました。
二百十日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
庭にも、もう暮色が流れて、葉末をゆるがせて渡る夕風ゆうかぜは、一日の汗を一度にかわかす。
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
夕風ゆうかぜむち
かんかん虫は唄う (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あねは、思案しあんしずんだかおつきをして、着物きもののすそを夕風ゆうかぜになぶらせながらおとうとのそばへ、はだしのまま近寄ちかよってきました。そして、えぬながら微笑ほほえんで、あねむかえた、おとうとかって
港に着いた黒んぼ (新字新仮名) / 小川未明(著)