声援せいえん)” の例文
これ、槍術家そうじゅつかがわの者と、剣道方けんどうがたの者とが、しぜん、おのれのよるところへおもわずはっした声援せいえんと思われたが、それも、ただ一こくにして、パッタリとしずまる。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
五万の群集は熱狂ねっきょう的な声援せいえんを送ったが、時すでおそく、一艇身半をへだてて伊太利は決勝線にんだ。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
私も世田谷代田だいたまでさすらえた。博雄は、そこの公立小学校に入れてもらった。先生達が赤旗をもって、威勢よく皇居前広場へ行く。子供たちは校門で、これを声援せいえんする。
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)
もし、にんじんがこれから走り使いをしなくなると、その一部が当然自分のところへまわってくるのだということまでは考えていない。彼は弟を声援せいえんしたいくらいだ。昨日きのうまでは軽蔑していた。
にんじん (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
主人が声援せいえんしたので、デカは思切ってワンと噛みにかゝったら、口か舌かをされたと見え、一声いっせい悲鳴ひめいをあげて飛びのき、それから限なく口から白泡しらあわを吐いて、一時は如何どうなる事かと危ぶんだ。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
と、声援せいえんした。音次郎君も、どういうつもりかそれに声をあわせた。
(新字新仮名) / 新美南吉(著)
近所の邦人ほうじんの方々が、張り切って、自家用車で、練習場まで、送って下さるやら、スタンドに陣取じんどって声援せいえんして下さるやら、それよりもさわいでくれたのが、となり近所のメリケン・ボオイズ
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
やわか! と必死ひっしな藤次、うしろのたまりでは仲間なかまの者は、ワーッと熱風ねっぷうのような声援せいえんおくったが、だめ、だめ、だめ、一しゃく、二尺、三尺——すでに七、八尺、やりいつめられた祇園藤次ぎおんとうじ
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ごうごうと苦情くじょう声援せいえんをあげだした。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)