壮漢そうかん)” の例文
このとき、とつじょとして洞内からおどりでた、一壮漢そうかんがある。その顔はあしゅらのごとく、眼は厳下がんかでんのごとくかがやいている。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
思いきや、時にあなたなる西側にしがわ鯨幕くじらまくをしぼって、すらりと姿すがたをあらわした壮漢そうかんの手には、遠目とおめにもチカッと光る真槍しんそうが持たれていた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大月大佐であろうか、正面にやはり毛皮を頭からすっぽりとかぶった長いひげ壮漢そうかんが、どっかと粗末な椅子に腰をかけていた。
大空魔艦 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「静かにしろ」と一人の壮漢そうかんが釘を打ちこむような声で言った。「貴様は今村謹太郎に相違ないか?」第二の男が幾らかふるえを帯びた声で言った。
犠牲者 (新字新仮名) / 平林初之輔(著)
決勝点は美禰子とよし子がすはつてゐる真正面ましようめんで、しかもはなさきだから、二人ふたりを見詰めてゐた三四郎の視線のうちには是非共是等これら壮漢そうかんが這入つてる。五六人はやがて十二三人に殖えた。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
鉄砲玉のようにとびこんできた壮漢そうかん! 雨にうたれた伸びほうだいのかみは、ものすごく顔にへばりつき、ひげは草むらのように乱生し、水玉がたれている
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
鉄杖てつじょうをおさめて、忍剣にんけんひさしの上をふりあおぐと、声におうじて、ひとりの壮漢そうかん
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
壮漢そうかん木村又蔵きむらまたぞうとならんで、加藤かとう龍虎りゅうこといわれている井上大九郎。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おのれの名をよばれて壮漢そうかんは、ギクリとしてふりかえった。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)