堺屋さかいや)” の例文
かくすにゃあたらないから、有様ありようにいってな、こと次第しだいったら、堺屋さかいやは、このままおまえにはあわせずに、かえってもらうことにする」
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
……番代りの晦日みそか伝馬町てんまちょう堺屋さかいやへ検死に行ったのはどいつだ。……嘉兵衛と鶴吉を虎列剌ころり判定きめつけてうっそり帰って来たのは、いってえどいつだ。言え、この中にいるだろう
顎十郎捕物帳:05 ねずみ (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
あれは今だに取ってあるだろうノ、妹の縁家えんか堺屋さかいやと云う薬店やくてん出入でいりの菅野伊之助と云う一中節いっちゅうぶしの師匠とめいの若が不義をいたし、斯様かようなことが世間へ聞えてはならぬと云うので、大金を出して手を切った
どうだの、これはべつに、おいらが堺屋さかいやからたのまれたわけではないが、んといっても中村松江なかむらしょうこうなら、当時とうじしもされもしない、立派りっぱ太夫たゆう
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
流石さすがにいまうりだしの、堺屋さかいやさんのおかみさんだの。江戸えど女達おんなたちかしてやりてえうれしい台詞せりふだ」
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)