-
トップ
>
-
在宿
>
-
ざいしゆく
顯はさんと思はれ一度の吟味もなく
直に麹町名主矢部與兵衞へ
内通有つて村井長庵が
在宿を
篤と見屆させ置召捕方の與力同心を
扨寶珠花屋八五郎は後藤の出行し
後早々下男の彌助にいひ
付先燒酎鷄卵白木綿等を
買調へ夫より
外科へ怪我人ある趣き申
遣し招きけるに
醫師は幸ひ
在宿なればとて彌助に
藥籠を
叩きて
案内申入ければ七右衞門の家内は夜中の事ゆゑ
不審何れの
邸よりの使にや
未だ夜の
明ざるに來る事
能々火急の用向ならんと思ひ尋ねければ郷右衞門は
據ころなき
要用にて
罷越たり七右衞門
在宿なれば
面談申度と
言入けるに七右衞門在宿に候と答へながら
出迎ひ是は