囲炉裡ゐろり)” の例文
旧字:圍爐裡
囲炉裡ゐろり焚火たきびをしておあたんなさいまし、おこまんなすつたらう此雪このゆきでは、もう此近このちかく辺僻へんぴでございまして御馳走ごちそうするものもございません。
松子さんの病室の次の間は囲炉裡ゐろりになつてゐて、このごろは、三郎さんがお母さんに代つて、そこで煮焚にたきをしました。
身代り (新字旧仮名) / 土田耕平(著)
前様めえさま温泉宿やどさしつけな、囲炉裡ゐろり自在留じざいどめのやうなやつさ、山蟻やまありふやうに、ぞろ/\歩行あるく。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
便用に行きたしと言へば、おのれ自ら外より便器を持ち来たりてこれへせよといふ。夕方にもなりしかば母もつひにあきらめて、大なる囲炉裡ゐろりの側にうづくまりただ泣きてゐたり。
遠野物語 (新字旧仮名) / 柳田国男(著)
燗鍋かんなべ囲炉裡ゐろりにかけて玉子を二ツ三ツポン/\と中に入れましたが早速さつそく玉子酒たまござけ出来できました。女
ういたしましてお蔭様かげさまで助かりましてございます。女「そこにがありますよ、焚付たきつけがありますから。囲炉裡ゐろりなか枯木かれきれフーツとくとどつとあがりました。 ...