哀楽あいらく)” の例文
失敗しつぱいあり、喜怒きど有り哀楽あいらくありで、一部の好小説こうせうせつが出来るのです、でまた今後の硯友社けんいうしや如何いかにふのも面白おもしろい問題で、九年の平波へいはさをさしてわたし気運きうん
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
いて形容詞のなかへ入れられないような人間同志が無上むじょうの信頼と哀楽あいらく相憐あわれみとを共にして生きてる。——
おうなを見れば、媼の目皺めじわ。荒くれを見れば荒くれの眉。かなしみ、よろこび、哀楽あいらくの色。女性にょしょう餓鬼がきも貴人も乞食こつじきも、仮面めん打ちの目にはみなありがたい生き手本でござりますれば」
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
哀楽あいらく表情へうじやうもなくしたしげに畜類ちくるゐならびつつなにをか凝視みつむ。
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
哀楽あいらくのつめたきにほひ。
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)