のど)” の例文
さりとてはあきらめも得ず、またのどの悟りをも見ね、ただすこしおのれ知るからただ堪へてへりくだるのみ。ややややにかくてあるまで。寂しがり寂しがるなる。
観相の秋 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
これは、君命を帯びて辺土の防備に行くのだが、その別を悲しむ歌である。これも彼等の真実の一面、また、「大君のにこそ死なめのどには死なじ」
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
○汐干狩の楽地として、春末夏初の風のどかに天暖かなる頃、あるいは蛤蜊こうり爪紅つまくれないの手にるあり、あるいはもりを手にして牛尾魚こち比目魚ひらめを突かんとするもあるところなり。
水の東京 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
土埃つちぼこりが立つように乾いて春光がのどかに輝いているのに、ひとたび同じ街の裏の方へ廻って見ると、雪は屋根の高さまで積まれ、人々は徳川時代さながらに雪の穴居生活の状態をしているのである。
(新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
さりとてはあきらめも得ず、またのどの悟りをも見ね、ただすこしおのれ知るからただ堪へてへりくだるのみ。ややややにかくてあるまで。寂しがり寂しがるなる。
われつひにのどに生きざらむとおもへどもなににこのごろ友つぎつぎに死す
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
ジュネーヴのアスカナシイの業績げふせきを語りたまひてのどに日は暮る
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)