和寇わこう)” の例文
明の太祖の辺海つね和寇わこうみださるゝを怒りて洪武十四年、日本を征せんとするをもっ威嚇いかくするや、王答うるに書を以てす。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
と、頻りに彼を示唆したものは、後に西方から来たばてれんではなく、その地理上、当然、九州博多の一端を巣としていたわが和寇わこうともがらだった。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「去年は倭奴わど上海をおびやかし、今年は繹騒えきそう姑蘇こそのぞむ。ほしいままに双刀を飛ばし、みだりにを使う、城辺の野草、人血まみる」。これ明の詩人が和寇わこうえいじたるものにあらずや。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
春潮しゅんちょう和寇わこうの子孫なれと我
六百五十句 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
愚にもつかんやからではある。最前から何をもじもじはばかっておるかと思えば、前身、和寇わこうと呼ばれていたというだけの遠慮か。いやはや、笑止千万。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
秀吉がまだ子どもの頃だった天文年間には、もう和寇わこうはだいぶ下火したびになっていた。けれど昔を語る潮焦しおやけのした老人は、まだたくさん田舎に生きていた。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ははあ、和寇わこうか。——おぬしらの前身は」
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)