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叩
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たゝい
叩て
詰ければ九郎兵衞發と
赤面しながらも汝こそ不屆者なれコリヤ條七汝は
癩病となり妻子の
捨處に
困りしを此九郎兵衞が引取世話をして遣せしを
忝けないとも言ず恩を
切害せし證據
假初にも將軍家の御落胤に有べからざる
凶相なり
僞物と申せしがよも
誤りで
厶るかと席を
叩て申ける天一坊始め皆々口を
閉て
茫然たりしが大膳
堪へ兼
御墨付と御
短刀を
叩て
呉ぬかと言れてハイと答へながら押入
開て取出す蒲團は薄き物ながら恩いと厚き
父親に我身の上より苦勞を掛け
未だ此上にもお
嘆を掛る不孝の
勿體なさと口には言ねど心の中思ひ
續けて蒲團を