古葉ふるは)” の例文
常緑木の中でも、松や杉は青々とした葉の下に黄ばんだ古葉ふるは簇々むらむられて、自ら新にす可く一吹いっすいの風を待って居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
かへるいよ/\ます/\ほこつてかしのやうなおほきな常緑木ときはぎ古葉ふるはをも一にからりとおとさせねばまないとする。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
硝子戸ガラスどの外には、まだ風がいていました。にわのすみにあるしいの木の古葉ふるはが、一つ二つっていました。風にかれてよこにとんでるかと思うと、風がちょっといきをするあいだ、まっすぐにちます。
風ばか (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
音きざむ珠數屋が窻の板びさし椎の古葉ふるはのつみて久しき
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
落葉木らくようぼく悉皆すっかり若葉から青葉になった処で、かしまつすぎもみしい等の常緑樹ときわぎたけるいが、日に/\古葉ふるはを落しては若々しい若葉をつけ出した。此頃は毎日いても掃いても樫の古葉が落ちる。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
音きざむ珠数屋が窻の板びさし椎の古葉ふるはのつみて久しき
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)