参観さんかん)” の例文
旧字:參觀
「ロザリオ、このひとたちが、ヘクザ館の内部を参観さんかんしたいとおっしゃる。おまえ御苦労ごくろうでも、案内してあげなさい」
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
当日とうじつは、学校がっこう教師きょうしや、また家庭かてい父兄ふけいたちが、参観さんかんにやってきました。ちょうどひるごろのことです。参観者さんかんしゃ一人ひとりきゅう卒倒そっとうして、おおさわぎとなりました。
天女とお化け (新字新仮名) / 小川未明(著)
「君たちは参観さんかんかね」その大学士だいがくしらしい人が、眼鏡めがねをきらっとさせて、こっちを見て話しかけました。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
あたらしいひとかおは六号室ごうしつではえてぬ。院長いんちょうアンドレイ、エヒミチはあらた瘋癲患者ふうてんかんじゃはもうくより入院にゅういんせしめぬから。またたれとてこんな瘋癲者ふうてんしやへや参観さんかんものいから。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
勝島獣医学博士かつしまじゅういがくはくし駒場農学校こまばのうがっこうのまさに卒業そつぎょうせんとする数十名の生徒せいとをひきいて種畜場しゅちくじょう参観さんかんにこられたときは、教師きょうしはもちろん生徒にいたるまで糟谷かすやのごときほとんど眼中がんちゅうになかった。
老獣医 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)