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匕
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さじ
ふりがな文庫
“
匕
(
さじ
)” の例文
彼女は、自分の腕に
喰
(
く
)
いつくこともあった。と、そこにパッとにじみだして開いてくる命の花のはなやぎを、どんなふうに色に出したら写せるかと、
瞶
(
みつ
)
めながら
匕
(
さじ
)
をなげた。
田沢稲船
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
此
(
この
)
男木作りかと
譏
(
そし
)
る者は
肉団
(
にくだん
)
奴才
(
どさい
)
、
御釈迦様
(
おしゃかさま
)
が女房
捨
(
すて
)
て
山籠
(
やまごもり
)
せられしは、
耆婆
(
きば
)
も
匕
(
さじ
)
を
投
(
なげ
)
た
癩病
(
らいびょう
)
、
接吻
(
くちづけ
)
の
唇
(
くちびる
)
ポロリと
落
(
おち
)
しに
愛想
(
あいそ
)
尽
(
つか
)
してならんなど疑う
儕輩
(
やから
)
なるべし、あゝら尊し、尊し
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
医師の
匕
(
さじ
)
の
類
(
たぐい
)
に非ず、これを想い、またこれを思い、ただに三思のみならず、三百思もなお足るべからずといえども、その細目の適宜を得んとするは、とうてい人智の及ぶところに非ざれば
学者安心論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
露国の古話に蛇精が新米寡婦方へその亡夫に化けて来て毎夜
伴
(
とも
)
に食い、同棲して、
晨
(
あさ
)
に達し、その寡婦火の前の
蝋
(
ろう
)
のごとく
痩
(
や
)
せ溶け行く、その母これに教えて、
他
(
かれ
)
と同食の際わざと
匕
(
さじ
)
を
堕
(
おと
)
し
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
婢「そう/\、あゝ知れませんよ、時々
匕
(
さじ
)
で出して甜めました事がありましてね、一遍知れたよ、私が口の
端
(
はた
)
に
附着
(
くッつ
)
いていて、少しの間板の間に坐らせられた事が有りましたよ………大層結構な、これは福寿庵の、大層お上手ですこと」
松と藤芸妓の替紋
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
匕
漢検1級
部首:⼔
2画
“匕”を含む語句
匕首
一匕
飯匕
匕口
匕形
匕首一閃
匕首傷
匕首拵
唐匕首
石匕