勝算しょうさん)” の例文
けだ勝氏かつしはい所見しょけんは内乱の戦争を以て無上の災害さいがい無益むえき労費ろうひと認め、味方に勝算しょうさんなき限りはすみやかして速にことおさむるにかずとの数理を信じたるものより外ならず。
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
……どうだ、藤波、勝算しょうさんがあるか。……それとも、また、北の顎十郎にシテやられるか
だがしかし——燕作のはらにはりっぱに勝算しょうさんがたっていた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
敵味方相対あいたいしていまだ兵をまじえず、早くみずから勝算しょうさんなきをさとりて謹慎きんしんするがごとき、表面には官軍に向て云々うんぬんの口実ありといえども、その内実は徳川政府がその幕下ばっかたる二
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
れば当時積弱せきじゃくの幕府に勝算しょうさんなきは我輩わがはいも勝氏とともにこれを知るといえども、士風維持の一方より論ずるときは、国家存亡そんぼう危急ききゅうせまりて勝算の有無うむは言うべき限りにあらず。
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)