利助りすけ)” の例文
田舎いなかひととなりましてからも、かれは、利助りすけのさかずきをしてながめることによって、さびしさをなぐさめられたのであります。
さかずきの輪廻 (新字新仮名) / 小川未明(著)
これは無理むりなことでありました。そこで人力曳じんりきひきの海蔵かいぞうさんも、まんじゅうがさをぬいで、利助りすけさんのためにあやまってやりました。
牛をつないだ椿の木 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
幸い、本所の御用聞で、石原いしはら利助りすけ親分の娘のおしなさん、これは出戻りだが、縹緻きりょうも才智も人並みすぐれて、こんなことには打って付けの女です。
小さい関所がござりますから、湯の谷の利助りすけと云ううちへ泊りました。
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
こんなふうにいっていても、いっこう利助りすけさんが、こちらのこころをくみとってくれないので、海蔵かいぞうさんは、はっきりいってみました。
牛をつないだ椿の木 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
そして、つよむねかれました。なぜなら、かれいえむかしからあった、あのさかずきには、たしかに利助りすけというがはいっていたからです。
さかずきの輪廻 (新字新仮名) / 小川未明(著)
石原いしはら利助りすけが大怪我をしたといううわさを聞いた銭形の平次、何を差措さしおいても、その日のうちに見舞に行きました。
利助りすけという若い者が出てまいりまして
利助りすけさんは、いままで調子ちょうしよくしゃべっていましたが、きゅうにだまってしまいました。そして、じぶんのほっぺたをつねっていました。
牛をつないだ椿の木 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
利助りすけのさかずきは、そのお祖父じいさんの愛用あいようしたものだとおもすにつけて、かれは、なんとなくお祖父じいさんをかぎりなくなつかしくおもいました。
さかずきの輪廻 (新字新仮名) / 小川未明(著)
それから二た刻あまり、石原の利助りすけの娘——女御用聞と言われるお品が顔を出したのは、もう昼過ぎでした。
女房のお静はれた手を拭きながら、顔を出しました。その後ろから、ニコニコした顔を覗かせたのは、石原いしはら利助りすけの娘——娘御用聞——といわれたおしなです。
思案に余ったお国は、夫新三郎の留守の時、そっと石原いしはら利助りすけを呼んで、相談してみる気になりました。
取次のお静は、手を取らぬばかりに、石原いしはら利助りすけの娘で、年増っぷりの美しいお品を招じ入れました。
昨夜ゆうべ柳原河岸で、石原の利助りすけ親分があの大きい眼を光らせている中から、五人目の花嫁がさらわれたっていいますぜ。材木河岸の美倉屋みくらやの娘で、今度のは大した容貌きりょうだ」
昨夜ゆうべ柳原河岸で、石原の利助りすけ親分があの大きい眼を光らせている中から、五人目の花嫁がさらわれたっていいますぜ。材木河岸の美倉屋みくらやの娘で、今度のは大した容貌きりょうだ」
与力よりきの笹野新三郎を訪ねて訊くと、石原いしはら利助りすけは堂守殺しの下手人として、徳蔵稲荷の隣に住んでいる、やくざ者の仙吉せんきちを挙げたという話、これは賭博ばくちの元手に困って
利助りすけ兄哥か」