出迎いでむか)” の例文
赤城さん、今晩は。得三は出迎いでむかえて、「これは高田さんでございますか。まあ、こちらへ。と二階なる密室に導きて主客三人みたりの座は定まりぬ。 ...
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そこ/\に暇乞いとまごひして我家に立歸りしに女房お梅は出迎いでむかへ御持參の金子きんすとゞこほりなく文右衞門殿どの請取うけとられしや如何いかにと云ふに長八かうべ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
持せて先へ差越さしこし程なく寳珠花屋へ入來いりきたりしかば亭主は早速さつそく出迎いでむかへて座敷へしやうじしに醫師は四邊あたり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
お貞はいかに驚きしぞ、戸のあくともろともに器械のごとくね上りて、夢中に上り口に出迎いでむかえつ。あおくなりて瞳を据えたる、沓脱くつぬぎの処に立ちたるは、洋服扮装でたちの紳士なり。
化銀杏 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しきて今や/\と相待あひまちける所へ三五郎次右衞門寺社奉行じしやぶぎやう郡奉行こほりぶぎやう同道にて來りしかば祐然は出迎いでむかたゞち墓所はかしよへ案内するに此時三五郎は我々は野服のふくなれば御燒香せうかうを致すはおそれあり貴僧きそう代香だいかう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
老人夫婦らうじんふうふ出迎いでむかへて、富藏とみざう仔細しさいくと、お可哀相かはいさうのいひつゞけ。
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)