)” の例文
旧字:
親類方や他の雇人達に見せると、「よくせてある」と言うだけで、徳三郎ほど一生懸命に保証するのは一人もありません。
「越前っ。やあいっ、せもの、くそ奉行っ。なぜおれに、姿を見せねえのだ。なぜ、大岡亀次郎を、吟味しねえかっ。うぬっ、ここへ来い」
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
黒い速度のような鈍いうなりをあげて通る風に背を向け、炉端にひとり坐っていると、いつか読んだ、「まのままの真は、せよりも偽せだ。」
だんだんに訊いてみると、安二郎はせの病気を口実にお君を出頭させたのだとわかった。そんなばかなことがあるかと安二郎に喰ってかかると
(新字新仮名) / 織田作之助(著)
さつを作り出せるような気の利いた、男ではなかった。自分でも偽せ札をこしらえた覚えはなかった。そういうあやしい者から五円札を受取った記憶もなかった。
(新字新仮名) / 黒島伝治(著)
そのくせ当人は、痣蟹が屍体を盗んでいったと称しています。あれはせの兄ですよ。本当の兄なら、屍体を取返そうと思って死力しりょくをつくして追駈おいかけてゆきます
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
して諸鳥の云うたことは、『まことの孔雀にめぐりうたなら、如何いかやうな礼儀をも尽さうずるものを。さてもさても世の中にはせ孔雀ばかり多いことぢや。』
孔雀 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
ふん、いくらかみしもをつけて、えらそうに、君子ぶッても、わたしはちゃんと知っている。あんな男、嘘のかたまりだ。せるのが上手なけだものだ。
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ああ青竜王! するとこれはせ物で、本物の方は、やっぱり生きていたのか」
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「そうじゃない。一人は本物のシュ博士で、もう一人は他分せ者だろう」
地球盗難 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そして、さいごに捕まって、南の白洲へひき出されたら、それこそ、一生涯のうらみをいっていいぬいてやろう。せ君子の皮を剥いでやろう。男の罪を、あべこべに裁いてやらずにおくものか
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「じゃあ、俺のせ気狂いを、知ってたのかしら」
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ドン助さん。これさつじゃないのかい」
○○獣 (新字新仮名) / 海野十三(著)
『だまれっ、せ志士』
田崎草雲とその子 (新字新仮名) / 吉川英治(著)